日本の各地を周遊・徘徊するウェブログ。



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ねこまくら
 ねこまくらでねむりたい

 ねこまくらをだいていたい

 ふかふかねこまくら

 ねこまくらであくび

 ねこまくらのにおい

 あったかねこまくら

 ねこまくら

 ねこまくら

 つぶれないように、そっとね。

| 創作 | 18:43 | comments(4) | - |

【掌編小説】 トレイン/ダメージ
 ぎゅうぎゅうの満員電車に押し込められているわたし。まるで弁当の具材になった気分。もう入りきらんというくらい人が詰め込まれて、四角の車両もまあるく膨らんでパンパンになっているような。そんなはちきれんばかりのまんまる電車が、時速60キロから90キロとか出して、2本のレイルの上を走ってる。ずっしり重い車体を支えて、時に車輪がキンキン火花を噴きながら、カーブを曲がっていく。
 駅について扉が開けば、まんまるの車両から、強く握ったマヨネーズのように、人がびゅるるっとふきだす。のかと思ったら案外そうでもない。
 まず駅に着いても、内側からの圧力により、扉が開かない。なんとか開いたと思っても、ほら、レストランに置いてあるようじが入ったビン。あれを思い出してほしいのだけど、あれって、ふたにひとつしか穴が開いてないから、ようじが2、3本一緒に出てこようとして、よく途中で引っかかって詰まってしまうでしょう。いま、ニンゲンにも同じことが起こっていて、扉は開かれているのに、全員が我が!我が!我が!我が先に出るのじゃ!と先を争うので、出口はひとつ、当然コレはようじのようにつまりますよ。
 そもそも、とぼくは思った。扉からいかに早く出ようとも、もしくはゆっくり出ようとも、それはほとんど、数秒の差にしかならないんじゃないか。それならひとりずつ、焦らず押し合わずクレバーに扉から出れば、実に円滑に扉から出ることが出来、朝から要らんストレスを感じずにすんで、気分爽快、みんなハッピィじゃあないですか?ていうかむしろ、詰まることによって、我先に出ようとするほうがゆっくり出るよりも、結果遅くなるんじゃあないのかな。

 そんなふうにぼくは、我が我がしいピープルの濁流に揉まれてあっぷあっぷしながら思っていた。



 エスカレーターに乗るわたし。朝の駅舎は、透き通った光で満ちている。やあ、ぴーちくぴーちく鳥のさえずりも聞こえるなあ。爽やかだなあ。と思ったけど実はそれは、爽やかさを演出するための鉄道会社の小細工で、CDかなにかで流しているギミックなのだ。興ざめだよ。まったく。
 エスカレーターの右の列が渋滞してる。見ると、いかにも、長年専業主婦をやってますぅ〜。今日はご友人と銀ぶらですぅ〜。といった風情ののんきなおばさんが、エスカレーターの流れをせきとめ、ぼーっと突っ立っている。その後ろに連なるスーツに身を固めたお急ぎの勤め人数十人が、触ればピリッ!と静電気が走りそうなくらいに、ピリピリの苛立ちで髪の毛を逆立てて、右に左にくんくんしている。このおばさん、エスカレーターでは右の列は立ち止まらずに進むという社会のマナーを知らないんだね。背後には、総合すると感電死してしまうくらいの電流ストレスが蓄積しているのも知らず、平然としているのは幸せか、不幸せか。最近のオトナはマナーがなってないね。これ、若者の意見。



 地下のホームに到着した。ホーム内はすでに人がぎゅうぎゅうで、反対側のホームから人が線路に転げ落ちそうになっている。ほどなくしてホームに電車が入ってきたけど、車両のほうもすでにぱんぱんに膨らんで、またもはちきれんばかりだ。
 しかし、列の先端に居たダボッとした背広を着た中年のエコノミック・アニマルは、ヤァッ!とばかりに突撃。中ですでに弁当の具材になっている乗客は、ボディ・ブロウを喰らってこみ上げるものをこらえつつも、その刹那逆上して殴りかかりたいのを必死にこらえているボクサーのような、そんな苦々しい表情をしている。
 しかしよく見ると、意外に車内の中心部にはスペースがあって、そこに一人一人詰めていけば、今のようにドアの近くに密集して押しくら饅頭をしなくてもすむような気もする。
 現に、スペースに近い人はおもむろに間を詰めている。なのに、「カ〜ッ。見ちゃいらんねぇや。んな周りの人に気ぃなんか使ってノロノロしてんじゃねぇしゃらくせぇ。満員電車歴30年、玄人の儂が満員電車の乗り方っちゅうのをトーシロのてめぇらに教えちゃるわい、どらあっ!!」なんて叫んで突撃をする勘違いをした人、そのほとんどは、ご多分に漏れず40〜50代の、背広を来たエコノミック・アニマルズ。調子に乗って人を突き飛ばしたのはいいけれど、その人をよく見たら耳にピアス、顎鬚、キャップを阿弥陀にかぶって、肥満した人のおさがりのようなだぼついた服を着、首からお目出度い金メダルをいくつもじゃらつかせて与太ついている悪そうな若者であったりして、チッ!と舌打ちをされてものすごい形相で睨まれた中年背広アニマルは、焦ってドギマギして目をそらしえーっと、なんて、某アナウンサーのパンチラがどうだとか、濡れる豊乳がああだとか、わいせつなことが羅列してある中吊り広告を平然としたふりをして眺めている。玄人が聞いてあきれる光景。

 発車の合図が鳴る。駅員が目をひん剥いて絶叫し、扉が閉められる。電車は大勢のニンゲンを乗せて乱暴に発進。トンネルの奥へ。闇の中へ。

 窓の外は壁。ドアに押し付けられ圧迫されるわたし。押し黙る車内。はちきれんばかりに膨張した列車は、地底をひた走る。

 カーブを曲がるたび、遠心力で僕はつぶれそうになる。電車の揺れで腸内の蠕動が活発になったのか突然、下っ腹のあたりに、ミニ四駆のターボ・モーターを入れられたかのような、ぎゅるるるるるるるって軽快なサウンドがして、それとともに、激しい鈍痛がぼくを襲う。
 急な遠心力。進行方向に引っ張られる。人々がずだずだずだと、むかで競走のように進んでいく。電車は急停車。とある駅で、痴漢の容疑をかけられた男性がトンネル内に逃走したために、路線は全線、運転を見合わせるそうだ。窓の外は、壁。油が染み付いた、黒い、黒い壁。

 都市の地底の奥深く。暗く、狭い、ホコリだらけのトンネルのなかで、ぱんぱんに膨らんだ電車が、取り残されている。重苦しい静寂の中。弁当の具材から、黒い熱が発生する。黒い熱は締め切られた車内に充満し、列車はさらに膨張する。
 そのなかの一両に僕。ダメージを受けた僕。あまりの腹痛に脂汗が出てとまらない。押し黙る弁当の具材達。窒息しそうな黒い熱。早く動いてくれ。今にも破裂しそうな列車。
 しかし、望みは薄暗いトンネルの彼方に消えていった。
 列車は動かない。(了)

| 創作 | 16:51 | comments(0) | - |

【小説】 習作:還俗坊主
 俗を忌んで山門に入り月日を過ごすこと幾数年、悟りに達することも能わず、私は俗の街に還って来た。電化された街にはネオンのサインが林立しており、深山幽谷の暗がりに親しんだ私の網膜を撃つ。あなや、眩む視界に踏みとどまると、途端に世界は轟音に包まれる。自動車の警笛、駆動の音、人々の雑踏、小型電話機から発せられる電子音、街頭演説、小児の阿鼻叫喚、大人の罵詈雑言、無頼な女学生の破廉恥な嬌声、商業放送、自転車のブレーキ音、「明日があるさ、上見て歩こう」、全てが私の耳内で渦を巻く。それは紛れもない混沌だった。逃れようにも逃れられず私は目を閉じ耳を塞ぎその場にくずおれた。私は仏の道からも見放された還俗坊主だ。少なくとも、この世界で生きていくしかないのである。私は地下鉄の駅の入り口付近でへたり込み、まるで駄々をこねているような姿勢でうずくまっていた。
 どれくらいそうしていただろうか、気が付くと、にたにた笑いをその面に張り付けた若気の猿が数匹、私の周囲に群れていた。肥満した人のお下がりのような衣服を身に纏い、首からはお目出度い金メダルを幾つもぶら提げじゃらつかせている。其の中で、髭面で夏でもないのによく日焼けした一匹の猿が、這いつくばっている私の目の前にスニーカーを立ちはだからせた。
「おいおい、だいじょうぶ、おっさん、こんなとこでねてたら、カゼひくよ」
 複数の猿に抱きかかえられ無理やりに起こされた。そしてこいつらは、嗚呼、目を閉じ耳を塞いで何も出来ぬ私を見て取ったか、私のフトコロに手を伸ばし、わずかの日銭を納めたる、私の大切な財嚢を略奪したのである!なんたる無頼漢!何たる痴れ物!抵抗したかったが、街頭の轟音ノイズによって力を奪われた私に何が出来よう!私はまた歩道に投げ打たれ、絶望に打ちひしがれた。職もなければ銭もない私は一体この先如何様に生きていけばよいのか?金を持っているやつなら他に幾らでもその辺に転がっている筈なのに、何故彼奴等は斯様な身の上の私からわざわざ奪っていくのか?いろいろと自問自答しているうちに、骨抜きにされた身の内から、邪悪なる呪詛の念が湧き出でるのを感じた。不埒な猿供め!私は貴様らを決して赦しはせぬぞ!私は貴様らを爆殺したい!それくらい、今、私の邪悪は膨らんでいるのだ。そして、嗚呼、今、猿への強い呪詛の念が、私の隠された邪悪をフィードバックさせていく。私が修験者への道を志したのも、思い起こせば、公共の変圧器から盗電し、自己のもろもろの光熱費を瞞着したとして、当時某企業で次期社長の地位まで上り詰めていた私が突然巡的に連行されたからだった。こんな馬鹿げたものは当然次期社長を狙う守旧派の謀略であったが、私のイメージを失墜させるには十二分であった。出世街道からあっという間に滑落した私は全ての俗を呪った。呪い尽くして私は山門に入った。私を陥れる俗物供!天誅を食らうがいい!しかし実際、天誅は私ばかり食らっている。そもそもこのような邪悪を抱えた私がどうして悟りを得ることが出来ようか?そう思うと体内から邪悪が霧消し、空っぽの心を切なさが満たしていった。音がおもむろに消え、全てがスローモーションへと代わる。私は仰向けに寝転がった。私を跨ぎ急ぐ雑踏の群れが通過するその向こうには、すすけた色の青空が、ビルの輪郭に区画されてそこに在った。排気ガス、ダイオキシン、紫外線、その他化学物質に汚染された空だ。あの空の下、私とその他俗世の雑踏は生きている。だからどうだというのか。私はきっと、もうすぐ死ぬる。思えばくだらない人生だった。出世に心を奪われて俗物に成り下がっていたのは他ならぬ私だった。気付けば私の周りには誰もいない。そしてそう、もし、私の周りに群がるやつは、往々にして先ほどの破廉恥猿か、ちょうどこんな、今俺の視界に移っている、掘り出したばかりの山芋のような顔をした女学生だ。
「うわー、このおっさん、きもくねー?ちょっと、マジで。ヤベー」
 反復するビート。それは私の心臓。世界に溶けていく意識。

| 創作 | 08:48 | comments(0) | trackbacks(0) |

【掌編小説】 すべてが壊れるとき
破滅の時が近付いてる。
もうまもなく、ぼくはあの重く息苦しい不安に堕とされる。
ぼくが包まれていた幸せや、あざやかに彩ったキャンパスにはいつのまにか、
ひっそりと亀裂が走り、闇が忍び寄っていたんだ。

まるで、

「気付かなかったお前が脳天気なだけなんだ」

手をつないでいたと思ってたみんなから、
濁った目でそう見下される。

ぼくはまたすべてが分からなくなって、
架空の城へと逃げ込むんだろう。
こんな浅はかな幸せのフリで、
世間をテダマに取れてると思っていた。
恥じるべきだ。
見下されるだけの人生なら死んで誇りを掲げよう。
永遠に続く今のままの自分。永遠に、今の、今のくだらない、カラッポの自分。
幾何学模様のような世界が空に小さく消えていく。僕はどこまでも落ちて...。

悲しみで打ちひしがれてアスファルトに潰れているとしたら、
誰か手を差し出してくれるんだろうか?

「甘いよ」

「でも、どうにもならないんだ」

ぼくが見る世界は今、粉々に砕けて散っていく。

| 創作 | 10:35 | comments(0) | trackbacks(0) |

【小説】 沈澱
ようやく高速に乗れたというのに、オレという奴はとことんまで腑抜けであった。こんなところでガス欠だなんて。何故、燃料メーターをこまめにチェックしていなかったのだろう。こんなことはテレビドラマやコミックの世界で、ドジ・間抜け・腑抜け的なキャラクターが往々にして演じる架空の失策の類である。現実に生きている人間は、普通このような失態はやらない。馬鹿だ。阿呆だ。オレはひたすらに自分を責め苛み、高速道路のいっとう左側の安全地帯で車を止め、途方に暮れているのであった。

オレはいつだってこうだ。1つの目的に盲目的になるあまり、決して忘れてはならない大切なことを、ポロポロと取りこぼしてゆくのだ。今は幸い、事故もおこさず安全地帯で蟠っていられるけれども、いつものオレなら、後続車両に追い立てられ慌てた挙げ句に、ウインカーランプも点灯させず出し抜けに車線変更、隣の車線を順調に走行していた大型トラックはオレのいきなりの侵入に対応しきれず、ブレーキを踏む間もなくオレの車に追突、大事故になってしまっていたはずである。

こうやって、なすすべなく車のシートに沈みこんで、すぐ横をびゅんびゅん通り過ぎていく車を眺めていると、オレの社会的立ち位置というものが暗示されているようで、暗澹とした気持ちになる。みんなは快調に、なんの滞りもなくびゅんびゅんやっているけれど、オレはこうやって、安全地帯でスピード・ゼロで沈殿しているだけなんだ。ときたま社会に戻っても、警笛をブーブー鳴らされ、パニクって結局安全地帯に避難する。その繰り返しだ。何が安全地帯だ、気取っていやがる。こんなのは川の流れの澱みと同じなんだよ。そしてオレは、高速道路においては単なる沈殿物なんだよ、糞がっ。
そんなふうに自分のことを自分に向かって毒づいても、結局なんの解決にもなりはしない。とりあえずオレはどうすればいいんだろうか。ここから4km以上はあるPAまで行き、ガソリンを調達してこようか。それもずいぶん億劫な話である。それに、苦労してガソリンを充填したところで、またぞろ警笛を鳴らされるのがオチだ。それなら、いいや。ええいままよの精神でオレは安全地帯で開き直る。どうとでもなるがいいや。警笛を鳴らされ、邪魔にされ、侮蔑されるくらいなら、オレは、もういい。オレは...
そんなことを考えつつ、オレはたくさんの車が走り去る先を、ただじっと見つめていた。

| 創作 | 16:56 | comments(2) | trackbacks(0) |
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